いい進捗会議のためには仕事のしくみをデザインする
Marching soldiers / Cuno de Boer
少し前に、とある会社の仕事の進捗報告会議によく出席していました。正直言ってこの会議に出席するのがとても苦痛で、もう少しなんとかならないものかと会議に出席する度に思っていました。会議の内容が仕事の進捗報告だけでその課題解決まで深く議論がなされていないのが苦痛の原因だったのです。
毎月の進捗報告はなぜか決まって2週間遅れ
責任者がテーマリーダーに「君のテーマはどれくらい遅延しているのですか」と聞くと、テーマリーダーはか細い声で「大体2週間ぐらいの遅れです」と答えます。この会議は毎月開催されているのですが遅れは決まって2週間ぐらいで、いつ聞いてもその値が増減することがありません。
「ではその遅れはいつまでに取り戻すのだね」と責任者が質問して、リーダーが「はい、来月中にはリカバーします」と答えます。
責任者はちょっと困った顔で「では頑張って取り戻してください」と申し渡して進捗報告が終わり他の議題に移ります。
この部署では進捗会議と称してこのようなやり取りが毎月同じように繰り返されていたのです。
本来の進捗報告のやりかた
テーマの進捗について毎日や毎週のレポートで報告している部署なら、そのテーマがどれだけ遅れているかは共有されているので会議で改めての報告は不要なのです。
進捗会議で報告してほしいのは「テーマの遅れの原因はこれこれで、このような方法で解消します。その結果この時期にリカバーできます」と、遅れの原因とその対策を報告してほしいのです。
そのような報告であれば、課題設定は良いが他にもっといい解決方法があるとか、そのリカバーのペースではまだ不十分なので他部署も巻き込んで一緒に解決しようとか、さらに具体的な検討ができて進捗会議としての意義が出てくます。
「頑張ります」は計測できない
昔から計画に遅れがでるともっと努力しなければならないとか、もっと頑張らなければならないと教えられてきました。できの悪い責任者は「うまくいかないことがあったら、もっとやれ」と精神論で問題解決しようとしてしまいます。
でも頑張るとか努力するというものはその大小を計測できるものではありません。計測できないものはコントロールすることはできません。問題の原因を計測できない「頑張り」とか「努力」に置いているのでそれを管理することができず、毎月毎月「2週間遅れています、頑張ります」という報告を聞かなければならないのです。
いい進捗管理のために責任者がやるべきこと
もし自分のチームの進捗会議がうまく機能していないなら、責任者のあなたはこんな点を改善してください。
- 毎日or毎週の進捗をレポートで報告しチームで共有するしくみを作る
- 進捗会議では「遅れの原因」と「その対策」を報告してもらいチームの課題として一緒に検討する。
- 課題解決の状況を計測する指標を決め、その解決状況を定期的に追跡する。
まとめ
進捗会議は決して「進捗状況の確認会議」ではなく「進捗阻害要因の対策会議」なのです。それができていないと毎月毎月同じような退屈な報告を聞くハメになります。
進捗会議を有効に機能させるためには仕事のしくみ作りがとても大事なものとなってきます。責任者はしくみを作り、進捗会議のやり方をメンバーに丁寧に説明し、よりよい会議が行えるようにデザインをする事が重要です。