奈良市 漢國神社の獅子神楽
2018年12月29日撮影
奈良市の漢國(かんごう)神社で行われた獅子神楽を見せていただきました。年の暮れは何とは無しに気ぜわしく急き立てられるのですが、今日は獅子神楽の日です。ゆったりとした気分で芸能を楽しもうと漢国神社まで出かけました。
この獅子神楽奉納は今年で10年続いているということで、最初は豊来家(ほうらいや)玉之助さんが獅子舞を奉納したのが始まりで、現在では御杖村の桃俣獅子舞保存会、八咫獅子舞講が加わった漢國神社韓園講(からそのこう)が奉納しています。
まずはみちひらきの神である猿田彦舞から始まりました。
漢國神社の韓園講さんの神楽は2月に行われる「なら瑠璃絵」の夜神楽で見ることが多いのですが、明るい中で見るのは今回が初めてです。速いシャッターが使えるのでキレっキレの舞もブレずにしっかり止めることができました。
とても古そうな一対の獅子による韓園(からその)です。
獅子の毛が五色で彩られているのが印象的です。また、片方は角のある獅子頭で神社の狛犬の形式の流れをくんでいるのかと思われます。
大黒さんの登場です。夜神楽で両手で足りないほど見ているのですが何回見ても楽しい演目です。
ここで一気に客席が暖まって、演者と観客が一緒になって会場の暖かい雰囲気を作り込みます。まさに真のエンターテイメントで会場で生で見てはじめてこの高揚感が味わえます。
へべれけさん。酔っぱらいの人間と獅子のカラミが会場の笑いを誘います。そして会場を巻き込んでのエアーの一気飲み大会も上手だなと感心させられます。
演目ごとに会場から沢山の華紙はなかみ(おひねり)が舞台に投げ込ます。そのお金は舞道具を買う費用になったり、若手を育成するために使われます。この獅子の胴を飾る油単(ゆたん)もおひねりのお金を集めて高山で染めたとのこと。躍動する獅子頭とマッチして丁度いいタイミングで撮影することができました。
- 油単
- 箪笥,長持などの諸道具のおおいに用いる萌黄唐草の布で,定紋などを染め抜いたもの。
ブリタニカ国際大百科事典による
荒廻剣です。
こどもさんの獅子が演じる背継ぎです。獅子が肩の上に乗り、鈴と御幣や短刀をもって舞いながら舞台を回ります。獅子が合せ鏡で身なりを確認した後、鏡を唐傘に交換すると傘から紙吹雪が舞い上がりました。
最後は参加者全員が舞台に上がり伊勢音頭を大きな声で唄いながらのフィナーレとなりました。韓園講の皆様お疲れ様でした、ありがとうございました。