当尾の石仏を巡る
2019年12月4日撮影
木津市当尾(とうの)の岩船寺から浄瑠璃寺の紅葉撮影の移動のあいだに当尾の石仏を巡りました。この地方は古くから奈良仏教の影響を強く受け多くの寺院が建立されていたようです。いま残されているたくさんの石仏や石塔が当時の様子を偲ばせてくれます。
ミロクの辻磨崖仏
奈良から岩船寺に向かう三叉路の脇におられる仏様で、線刻で弥勒菩薩が彫られています。文永11年(1274)に大工末行が刻んだことが記されているとパンプレットにあります。
長年の風雨で線刻が見えにくくなっています。photoshopでハイパスフィルターを入れエッジを強調すると判別しやすくなりました。
三体地蔵
ミロクの辻から岩船寺への山道をたどると右手の山の斜面に三体地蔵がおられます。鎌倉末期の作とされています。まあるいお顔のお地蔵様でいかにも優しそうなお姿でした。
わらい仏(岩船阿弥陀三尊磨崖仏)
当尾の石仏といえばこの笑い仏様がよく知られていて、京都府の有形文化財にも指定されています。この仏様は阿弥陀仏で合掌する勢至菩薩、蓮台を持つ観音菩薩が脇仏としておられる阿弥陀三尊の形式です。永仁七年(1299)二月十五日と刻銘があるようです。この仏さんはかなり左側に傾いていて、写真を撮る時にどれくらいの水平で撮ったらいいのかカメラをあれこれ傾けて撮りました。昔から今までのあいだに何かの地殻変動があったのでしょうか。
穴薬師
穴薬師は岩船寺から浄瑠璃寺に向かう中間部、県道752から右手に入ったところにあります。祠の穴の中に仏様が安置されているのですが暗くてよくわかりませんでした。穴薬師さんというから薬師さんなのでしょう。
大門石仏群
穴薬師さんからさらに山道を進むと春日神社のそばに大門石仏群がありました。これらの石像は大門の近くにあった阿弥陀寺跡鎮守社の石仏、石塔などを寄せ集めた石仏群とされています。
藪の中三尊
県道752のすぐそばに藪の中三尊磨崖仏があります。中央におられるのが地蔵菩薩さまと十一面観音様でしょうか。向かって左におられるのは阿弥陀様とされています。ちょっとめずらしい組み合わせの仏様でした。