桜井市江包(えっつみ)・大西のお綱祭り

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2020年2月11日撮影

江包(えっつみ)・大西は奈良県桜井市の大神神社の西側に位置する集落で、毎年2月11日には両集落で綱掛けの行事が行われます。地元では「お綱祭り」または「お綱はんの嫁入り」と呼ばれているお祭りです。江包の春日神社で作られた雄綱と大西の市杵島神社境内で作られた雌綱が、大和川にかかる綱掛橋のそばにある素戔嗚神社で結合する「入舟の式」が行われます。

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2つの綱が作られてから出会うまで、両地区の男たちは田をクワで耕し、水をいれて泥の土俵を作り、相撲を取りはじめます。

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子どもでもこんなに真剣な勝負はしないだろうと思われるほど力いっぱいの相撲で、相撲をとっている人も見ている人も、みんないい顔をしています。倒された方は田んぼの泥の中に沈み、体中泥まみれとなります。

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勝負が終わると水の洗礼が待っていました。そして田んぼますますどろどろのぐちゃぐちゃの土俵と化します。

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一つの勝負がつくと、見ていた人が土俵になだれ込み、相撲をとっていた人に泥をまぶします。相撲の勝敗はあまり気にしていないようで、男たちが泥まみれになって何度も相撲を取り合います。泥がつけばつくほどその年は豊作になるようです。

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江包地区の方でも相撲が行われています。こちらも泥いっぱいの土俵が作られていて、男たちが相撲でヒートアップしていました。

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取り組み前の仕切りです。この相撲では土俵を塩で清めるかわりに、相手の顔に泥を塗り込むのが作法のようです。

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相撲の勝負が付いても、行司は「同体とみなして取り直し〜」と判定を下し、同じ取り組みが続きます。時々行司は観客に「ようわからんかったけど、この勝負どうだった?」と聞きますが、観客も声を合わせて「同体とみなして取り直し〜」。何度も倒れて何度も取り直しが続きます。いやはや、すごい状況となっています。
今年も大豊作であること間違いなしです。

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泥田で相撲を取っている江包の雄綱に、雌綱の大西から何度も催促がきます。七度半の呼び使いの後、正午を過ぎたころに重さは約600キログラムにもなる雄綱が素戔嗚神社に運び込まれました。

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素戔嗚神社に雄綱が到着し「入舟の式」が行われ雄綱と雌綱は結合し巻綱でしっかりと固定されました。相撲が始まったのが10時過ぎで、雄綱、雌綱が固定されたのは13:00ごろでした。