外部コンサルタントを上手に使う
lessons from quran, dras / nevil zaveri
プロジェクトがどうもうまく動かない時に外部コンサルタントに入ってもらうことがあります。皆さんがいままでコンサルタントをお使いになった時に、期待通りの効果は得られましたか。コンサルティングが効果を発揮するかどうかは当然コンサルタントの能力にもよりますが、実はかなりの部分がコンサルティングを依頼する側の姿勢に依存しています。
コンサルティングを依頼する前に、「自分たちが解決したい課題は何か」をしっかり認識してください。そして「その解決したい課題はどんな状態になれば解決したと言えるのか」を具体的に文章で定義しておきます。そこではじめてコンサルタントにアプローチします。
コンサルタントは占い師でも預言者でもありません。目の前に座ればたちどころに魔法の処方箋を出してくれる訳ではありません。
ゴルフのレッスンプロのような人を想像してください。レッスンプロはあなたのスイングが外部から見たらどのようになっているのかをわかりやすく説明してくれます。改善したい問題が明らかになれば、あなたの技量に応じでスイング改善の適切なドリルを提供してくれます。でも決してあなたの代わりにトーナメントに出場して、あなたに代わってクラブを振ってくれるわけではありません。
大切なのは、外部からは自分たちの組織がどのように見えるかという視点です。コンサルタントは、過去の因習やまわりの部署とのしがらみにとらわれずに合理的、科学的な視点で現状を観察してくれます。私たちがコンサルタントに期待することはこの点なのです。
コンサルタントの分析内容に対して、「ウチの会社は特殊だから」とか「いままでこのやり方でやってきて問題なかった」、さらには「このコンサルタントは何も知っていないので役に立たない」とダメ出しをするクライアントもいます。そりゃそうでしょう。組織外のコンサルタントを使っているので、組織内の事情を知らないのは当然な話なのです。組織外の人を入れる目的は「外からどう見えるのか」を知るためなんですから。
組織を成長させるには、自分たちが課題解決のオーナシップを持って自分たちの手で解決していかなければなりません。しかし残念ながら組織の内側にいる限り、組織が置かれている状況を正確に分析することができないのです。
コンサルタントを採用する一番の目的は、課題解決のための新しい切り口を自分たちで発見するきっかけを得ることなのです。