東大寺二月堂修二会2023〜下七日〜
2023年3月9,10,11,13,14日撮影
東大寺二月堂修二会の本尊は大小2体の十一面観音で、大観音(おおかんのん)と小観音(こがんのん)と呼ばれています。3月8日からは小観音を本尊として法要が行われます。14日間の修二会も折り返し点を過ぎ下七日(げしちにち)に入りました。
3月9日撮影
今日は二月堂前の芝生エリアから上堂松明を撮影しました。大きな上堂松明が上る前に小さな松明が3度、登廊(のぼりろう)を往復します。
チョロ松明と言われているこの松明はすでに二月堂に上がられている処世界に他の練行衆が上堂することを知らせるためのものです。
最初は「時香の案内」、2度目は「用事の案内」、そして3度目は「出仕の案内」です。
松明を持った加供の「出仕の案内」という声を受けて処世界が「承って候」と返答し、二月堂内の鐘が打ち鳴らされて初夜上堂が始まります。
練行衆は登廊(のぼりろう)の壁を背に上堂の順番を待ちます。その前を大松明が通り過ぎていきます。
3月10日撮影
南側階段側で流れる松明を撮影しました。この写真は4,5枚の写真を合成して作っています。
3月11日撮影
東大寺大仏殿で、12年前の東北大地震で亡くなられた方への追悼とまだ復興ができていない被災地のために法要が行なわれ,地震発生時刻の午後2時46分には東大寺の大鐘(奈良太郎)が打ち鳴らされました。
万民の幸福を願う修二会の最中にこのような大惨事が発生し、参籠中の練行衆の方々は大層心を痛めたものと推察します。
当時の奈良新聞の記事によると
北河原別当は籠松明の上堂を前にあいさつし「三つのお願いがある」として、「未曾有の大惨事で亡くなった人々のために祈ってほしい、困っている方に心を寄せてほしい、被災者のために力を尽くしてほしい」と呼び掛けた。
と書かれています。
12年経ってもこのメッセージは忘れることなく次の世代に伝えていきたいものです。今日の奈良太郎はいつも以上にどっしりした鐘音に聞こえました。
3月13日撮影
FBのお友達が童子さんにおられるのですが処世界さんの童子さんなのでいつもは松明を担ぐ姿を見ることができません。今日は何かの理由で中灯さんの松明を担ぐという話を聞いたので二月堂の南側から撮影しました。
3月14日撮影
いよいよ修二会も大詰めとなり、上堂松明は今夜が最後です。この日は練行衆たちは後ろからくる松明に急かされるように次々に登廊を上がり上堂されます。その姿からこの日の松明は尻つけ松明と呼ばれています。
すべての松明が舞台に並び一斉に上下に振られると、二月堂の舞台から滝のように火の粉が落ちてきます。松明はあっという間に終わりますが、修二会の行(ぎょう)はこのあと夜中まで続きます。