薬師寺花会式 2024〜神供と鬼追い式〜

最終更新日

2024年3月31日
1週間にわたって国家の繁栄と五穀豊穣、万民豊楽などを薬師三尊に祈り続けた薬師寺の花会式が結願の日を迎えました。
本日は神供、結願法要、鬼追い式を拝観してきました。

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午後6時半頃、結願法要を修める前に、咒師が仏教守護の神を勧請して満願成就を祈願する神供(じんぐ)が行われます。
金堂東側に整列した練行衆が般若心経の読経のあと小ぶりの松明をくるくると回して空中高く放り投げます。

今年は桜の開花時期がちょうど重なり境内のあちこちで見事な夜桜を見ることができました。

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鬼追いに先立って咒師作法が行われます。咒師作法は咒師が両手に刀を持って擦り足で、時にはクルクルと回転しながら舞台を回り、鬼追い式会場を浄める作法です。

今年はコロナ感染対策が緩和され鬼追いの舞台が久しぶりに復活しました。舞台があると鬼さんの迫力が増します。

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薬師寺の鬼追いの鬼は奈良で最も凶暴な鬼じゃないかと思います。
松明をぶん回したり舞台の手すりに松明を叩きつけると観客席に大量の火の粉が飛んできます。松明の火力が弱くなると、係員が新しい火のついた松明が手渡されます。この兵站供給のしくみが良くできていてさすがに長年練られた伝統行事です。

舞台が復活したおかげで、コロナ禍中は無かった長い竹竿に吊られた籠松明が復活しました。ちゃんと鬼さんがゆっさゆっさ松明を引っ張るためのロープも完備されています。

このあと、薬師如来の法力を授かった毘沙門天が舞台を回って暴れまわる5匹の鬼を鎮めます。
今年は以前の規模で鬼追い式が執り行われやっと普段の生活が戻ってきたのだと実感できました。