桜井市長谷寺のだだおし〜大松明の火の粉の中、赤青緑の三匹の鬼が暴れる〜
この冬の時期、奈良のあちこちのお寺で人々の罪・過ちを仏に懺悔し新しい年を迎える「修正会」「修二会」が行われます。桜井市長谷寺では「修二会」が行われ、最終日の2月14日にだだおしがあります。
東大寺二月堂の修二会もそうですが、長谷寺の修二会も国宝のお堂で行われ、そのお堂で大きな松明が燃やされるので「こんなことをして大丈夫なのだろうか?」と最初はかなりびっくりします。
修二会の法要が終わる頃にほら貝や太鼓が打たれる中、おおきな叫び声を上げながら赤青緑の三匹の鬼が現れお堂の中を暴れまわります。
長谷寺の松明は油分が多いのか火力も煙も盛大です。鬼がすれ違うたびに松明をぶつけ合うので飛び散る火の粉も迫力があります。そしてなによりオニの暴れっぷりも半端なく、だんだんエスカレートしていきます。
赤鬼がラスボス的な役割のようです。プロレスラーの悪役のようにロープ外の観客を挑発していきます。
お坊さんをカツアゲしているわけじゃないのですが、どうしてもそう見えてしまいます。
撮影している人はアップでオニを狙うので最初はぐっと寄るのですが、すぐ後に続く大松明の炎で焼かれそうになって慌てて後ずさりするはめになります。人の波がオニと松明であおられるように揺れて、オニの叫び声と観客のどよめきと歓声が続きます。