東大寺二月堂裏参道に大仏ホタルが飛び交う

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6月1日、6月8日撮影

6月初旬になると東大寺で天然のゲンジホタルを見ることができます。場所は大仏殿の裏側から二月堂への裏参道近辺で、一時は絶滅が心配されたのですが「大仏蛍を守る会」の熱心な保護活動のおかげで近年は初夏の風物詩として蛍見学の観光客が多く来られるようになりました。

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午後7時半を過ぎて暗闇が迫ってくるころ、大湯屋前の小川が流れる草むらの中や二月堂裏参道の側を流れる小川の上をホタルが飛び始めます。
こちらは写真は裏参道の土塀をバックにして蛍の軌跡を撮影しています。

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目を転じて大湯屋の前を見るともっとたくさんのホタルが飛んでいます。
この写真を現像して気がついたのですが写真の右側に白いリュックが写っています。この場所はホタルにはとても大事な場所で、草の葉陰にホタルの幼生や成虫が潜んでいます。そのような理由でこの場所はホタル保護のための立入禁止地帯とされてるのですが、この人達は立ち入り禁止を無視して侵入してホタルが生息している場所を踏みつけているのです。

観光客が増えてくると残念ながらルールを平気に破ってホタルを撮影する不心得者が増えてきます。これは「大仏蛍を守る会」をはじめこの貴重な都会の中のホタルの守る活動をされている多くの人たちの努力を無にする悪質な行為です。

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大湯屋の横の階段を上がると「奈良太郎」と呼ばれる国宝の東大寺の鐘があります。夜8時になると奈良太郎が撞かれますが、この鐘の音が聞こえる頃にはホタルの数が一気に増えてきます。

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東大寺は近鉄奈良からバスで10分、歩いて15分程度しか離れていません。家族連れでもアクセスしやすいホタルの生息地ですのでぜひ東大寺までホタルを見に行きましょう。そして都会のホタルですので微妙な条件のバランスと厚い保護活動のおかげで生息しています。必ずホタル観賞のマナーを守ってホタルを楽しんでください。