大和郡山市の矢田坐久志玉比古神社の綱掛け
2019年1月8日
大和郡山市の矢田町にある矢田坐久志玉比古神社(やたにいますくしたまひこじんじゃ)で毎年1月8日に行われる綱掛祭を見せていただきました。
祭神は天磐船(あまのいわふね)に乗って天下ったという櫛玉饒速日(くしたまにぎはやひ)命と、その妃の御炊屋姫(みかしきやひめ)命で、天磐船にちなみ航空祖神として信仰され、楼門に陸軍九一式戦闘機のプロペラが奉納されています。
楼門には掛け替えに使われる綱が準備されていました。お話を伺うと、この綱は赤米の稲わらでなっているそうです。赤米はうるち米に比べて茎が柔らかく長いのが特徴で、そのためとても倒れやすく栽培が難しいのです。また、栄養分が茎の成長に取られるために米の収量は少ないとのこと。収穫した赤米は、神社にお供えしたり、家で食べたりするようです。
古い綱は、お焚き上げで燃やされ、あっという間に燃え尽きてしまいます。
神事が始まる前に神主さんから二点の注意事項をいただきました。
- 綱を跨いではいけません
- 神事中は声を掛けないでください
4本の綱にお祓いが行われます。この勧請縄はこのあと境内でつながれてとても長い縄になりますので、意識しないと跨ぎそうになります。
拝殿での神事のあと、境内いっぱいを使って綱掛けの準備がされます。2本の綱をより合わせ太い綱を作ります。
櫛玉饒速日命が放った3本の矢のうち2本めの矢が落ちたと伝わる「二の矢塚」に綱を渦巻き状に巻き上げます。
神社の鳥居が綱掛けの起点となり、そこから左右に長い綱がはられていきます。
綱には4枚の紙垂がつけられていて、紙垂の中央と鳥居の中央を合わせるのが難しく、細かく綱の支点の位置を調整されていました。
勧請縄の長さはおそらく50mくらいはあります。綱の両端を木にぐるぐる巻いて綱掛けが完了しました。