奈良赤レンガFESTIVAL2019〜旧奈良監獄の見学〜
2019年11月24日撮影
奈良市般若寺町にある旧奈良少年刑務所(今は旧奈良監獄と言うみたいです)に行ってきました。刑務所の監獄史料館がプレオープンするのを機に、11月23,24日に奈良赤レンガFESTIVAL2019が開催され建物内部が公開されました。
旧奈良少年刑務所の前身は「明治の五大監獄」の一つ奈良監獄で、明治41年(1908年)に竣工しました。明治政府の近代化への並々ならぬ本気度が感じられる重厚な赤レンガの建築物で2017年3月末に閉鎖されて、全国初の「監獄ホテル」として生まれ変わる予定です。
ドーム屋根を持つアーチ型の門です。現在の感覺でもとても刑務所とは思えないデザインですが、当時の人々はこの建物ができた時さぞやびっくりしたのでしょう。
レンガ作りの建物は山下啓次郎氏によって設計され、山下啓次郎のお孫さんはジャズピアニストとして有名な山下洋輔さんです。この建物がホテルに生まれかわると決まってから「これが最後の一般公開」というイベントが有ったのですがうまく予定が合わず何度となく「最後の公開」に行きそびれていました。今回、初めて内部を見ることができました。
5棟の舎房を見渡すことができる監視台です。この場所はいかにも刑務所らしい場所ですので見学のみなさんが写真を撮ったり、スマホで自撮りをしています。ここでジャニーズ映画「少年たち」の映画撮影が行われたので、キラキラとデコったジャニーズの応援うちわを持った女性が目立ちました。おかげさまで松村北斗さんという俳優さんの名前を覚えることができました。
廊下を歩きながら檻房(いまは居室と呼ぶようです)を覗いていきます。使われていないせいかホコリが溜まって汚れが目立つ窓ガラスの外に紅葉したツタの葉が見えます。
こちらの窓はガラスの飛散防止なのか十字のフィルムが貼られています。
窓やドアがさすがに重厚で見ていて飽きることがありません。歴史の重みというか、入居されていた人たちの重苦しい思いなのか、言いようのないどっしりしたものが感じられます。
この建物がホテルに生まれ変わったときはどんなデザインになるのでしょうか。檻房をそのまま残して監獄ホテルのようにするのか、外観の赤レンガだけを生かしておしゃれな内装のホテルになるのでしょうか。建築デザイナーさんは果たして何を残して何を捨てるのか、その回答を早く見たいものです。