飛鳥坐神社のおんだ祭〜青竹を持った天狗に追いまわされる〜
2020年2月2日撮影
明日香村にある飛鳥坐神社(あすかにいますじんじゃ)のおんだ祭に行ってきました。飛鳥坐神社のおんだ祭は毎年2月の第1日曜日午後2時より執り行われます。
おんだ祭は奈良県の各所に伝承されていて、年が明けた1月から真夏を迎える6月頃まで、あちこちの神社でおんだ祭があります。おんだ祭は五穀豊穣、子孫繁栄を祈る祭事で、その土地々々で伝承されている所作に違いがあって興味が尽きません。
ここ飛鳥坐神社のおんだ祭も五穀豊穣、子孫繁栄を祈る祭事ですが、そのうち子孫繁栄(というより夫婦和合か)が注目を集め、毎年多くの参拝客が来られます。
午後2時から始まる祭事に先立ち、午前は祭りの主役の天狗や翁が神社の境内やその周辺に出没して、青竹のササラで参拝者のお尻を叩いてまわります。今日はその天狗と翁のお尻叩きを中心に見ることにしました。
これが今日の主役の天狗です。この怖い出で立ちの天狗が青竹のササラをもって街のなかを獲物を探して歩いています。
獲物を見つけるとこのようにササラでお尻を叩くのですが、成人男子には手加減がなく全力で叩きます。この天狗さんはなにかスポーツをされていたのでしょう。やたらきれいなフォームで青竹をあつかいます。
神様仏様の境も気にせずに飛鳥寺の境内に入って行き、参拝客のお尻を叩いてまわります。女性にはすこし手加減がありました。
叩かれた人もとっても楽しそうです。悲鳴を上げながらも顔は笑っています。
天狗が来ると、一応は逃げるのですが、叩かれるときは叩かれやすいようにお尻を突き出すのが人の習性のようです。
こうやって写真で見ると、天狗が振る青竹のヘッドスピードは速そうですし、そのフォームは見ていて美しさを感じます。
年配のお父さんにも容赦なくバシッと青竹のササラが飛んでいきます。
その衝撃で、体はのけぞり帽子も吹っ飛びます。こりゃ、痛いわ。本人の痛さには関係なく周りの見物客は本当に楽しそうです。
天狗と翁のツーショットです。この翁も青竹のササラをで参拝客のお尻を叩いていきます。凶暴さでいうと翁のほうがきついようです。
外見に似合わず、青竹を持ってすごいスピードで走り回って獲物を追い詰めます。たぶんこの人もすごいアスリートだと思います。街なかでアスリートが獲物を追いかけている姿は、昔TVでやっていた鬼ごっこ番組の「逃走中」シリーズを彷彿させます。
天狗や翁は気軽にツーショットの記念写真に応じてくれます。
にこやかな記念撮影の後には、、
きっつい、青竹の洗礼が付いています。
天狗と翁は別々に動いているのですが、たまたまタイミングが合ってしまうとダブルの尻叩きがあります。少年の仲間たちは無責任に大いに盛り上がっています。
天狗の使っている青竹はどんどん竹が割れてきて使えなくなってきます。天狗の後ろには交換用の青竹をもった係の人が配備されていて、青竹のコンディションを見ながら使えなくなるとさっと新しい青竹に交換します。
おんだ祭が始まるまで、神社の近辺では青竹でお尻叩く音と、悲鳴と、歓声でいっぱいでした。
この天狗の尻叩きを見てから神社に入ったら、境内が参拝客で溢れて身動きができません。そんな理由でおんだ祭の写真は撮れませんでした。また今度ですね。