橿原市畝火山口神社の御田植祭
2020年2月28日撮影
奈良県橿原市の畝火山口神社(うねびやまぐちじんじゃ)は大和三山の一つ畝傍山の西麓に鎮座する神社です。かつては畝傍山山頂に鎮座しており、現在でも社殿跡が山頂に残ります。畝火山口神社では毎年2月28日に五穀豊穣を祈って御田植祭が執り行われます。
はじめに田男(ひょっとこ)が田の畦を切って、クワで田の土を起こします。
次に天狗に交代して、牛に唐鋤(からすき)を引かせて田を耕します。田を耕してる最中には、他の登場人物や観客からいろいろなツッコミが入ったり、牛が観客につっかかったり、細かなお笑いの応酬があります。
天狗による唐鋤引きが終わると、再びひょっとこが現れて、畦塗りと苗代作りが始まります。苗代が作られると種籾が撒かれました。
撒いた種籾を食べようとスズメがやってきてます。ひょっとこは棒を使ってスズメを追っ払います。御田祭でスズメが出ているのは珍しい所作です。
再び、天狗に交代して、馬鍬(マンガ)で田をかきならします。どうやら牛を使う作業は天狗の役割分担となっているようです。
宮司さんが歌う田植え唄にあわせてひょっとこが田植えを行ないます。田男は今までの仕草からややいいかげんな性格のように見受けられましたが、稲苗はタテヨコぴっちりと正確に植えるので、そのギャップが面白く感じられました。
田植えの途中で女房(おかめ)が出現してけんずい(間食)をひょっとこに振る舞います。けんずいはご飯とご飯の間に食べる間食のことで、自分が子供の頃にお年寄りたちが普通に使っている言葉でした。さすがに自分たちの世代で使っているのは聞いたことはありません。
御田植祭が無事終わり、登場人物が揃って記念撮影となりました。