春日大社で御田植神事
3月15日撮影
奈良市春日大社で五穀豊穣を祈って御田植祭が営なわれました。御田植祭は平安時代末期の長寛元年(1163年)から続く神事で、11時から春日大社の林檎の庭、榎本神社階下、若宮神社前の3か所で田主、神楽男、八乙女たちによる田舞の奉納が行われます。
林檎の庭はすでに観客でいっぱいでしたので、榎本神社で田舞を見ることにしました。林檎の庭での奉納を終えた八乙女たちが榎本神社に来られました。八乙女たちの頭には春日大社の象徴である藤の花が飾られています。
神社の境内に、八乙女たちの田植えの道具と早苗に模した松葉が用意されます。
田の主に扮した神職が鍬を入れます。
続いてお田植えではおなじみの牛の登場です。春日大社の御田植神事なので牛も優雅で雅な牛なのかと思いましたが、ここでも飼い主の言うことを聞かず「も〜ぉ、も〜ぉ」と鳴きながら勝手に動き回るユーモラスな牛でした。
鍬や馬鍬を使って田の準備ができると、八乙女たちの舞が始まりました。
神職の歌と楽器の演奏に合わせて八乙女の田植舞が奉納されます。
八乙女たちの舞は動きの少ない静かな舞ですが、春日大社の御田植祭ならではの所作があります。俗に「すずめ」とか「とんぼ」と言われるパートです。この所作が御田植祭の写真として取り上げられことが多いようです。
早苗に見立てた松の葉を植えます。
今日はとても晴れた日で、参拝に来られた大勢の方が足を止めてこの神事を見入っていました。