下市町から西吉野町の桃源郷をめぐる

2020年3月20日
二月堂のお水取りが終わる頃、吉野の下市町や五條市の西吉野町では春を告げる花が咲きだしています。この地方では農閑期の副業として花の栽培が盛んに行われています。この時期にはサンシュユ、花桃、啓翁桜などが咲き乱れ、いつの頃からか桃源郷と呼ばれるようになりました。

下市町 栃原から原谷へ

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この時期、春の花巡りはたいてい下市町から入って県道20号線を西吉野へ向かいます。いつも最初に訪れるのはこの栃原の梅畑です。ここでは正月用の梅が栽培されているそうですが、梅のシーズンは終わっていて、いまはその隣で啓翁桜が満開となっていました。桜の花が朝日に映えてキラキラと光っています。下草の鮮やかな緑色はすでに春の色となっています。

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原谷の山の中で、ふと頭上を見上げると真っ青な空をバックに桜の花が満開となっていました。この時期に咲いているので啓翁桜かなと思いますが、あまりに木が高すぎて桜の種類は判別できません。

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もう少し進むと、啓翁桜に囲まれた谷間が現れます。この景色をはじめた見たときは、あまりの美しさにシャッターを切れずにずーっと見とれていました。今年もきれいに啓翁桜が咲いてくれています。 (ちなみに軽四がぎりぎりのとても細い山道ですので運転に気をつけてください)
この日はお天気が良すぎて、ハイライト部分が飛んで桜の花の色がいまいち出ていません。もう少し曇り気味のほうが花の色がしっかり出るように思います。
まあ、ここは写真を撮るよりは現物の桜を楽しむのが正解です。

五條市西吉野町 鹿場へ

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西吉野町の鹿場へ移動しました。熱心なカメラマンなら夜明け前にカメラをセットしてここで撮影されるんですが、午前10時に着いたので誰もいません。はっきりといって貸切状態です。サンシュユ、花桃、啓翁桜がここでも満開で、とびきり快晴の太陽光にも負けないほどの鮮やかな色で咲いてくれています。
毎年毎年、木々の背が伸びてきているように思いますが、最近は切り花として出荷することも少なくなってきたようです。

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昨年だったか、農家のおじさんと話をさせてもらったら、最近は大きな座敷がある家が少ないので、本格的なお雛様を飾れなくなっている。その結果ひな祭りに使う切り花の出荷量が激減しているとのことです。代々受け継いできた立派な雛飾りを持っているがそれを飾る場所が無くどうしようかと悩まれている話も別のところで聞きました。

五條市西吉野町 川岸へ

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丹生川を挟んだ対岸の川岸に移動します。川岸は道路も走りやすく、五條市からのアクセスがいいので花を見に来ている人も多めでした。
ちょうどいい時期に来れたようで、こちらの川岸でも満開の花が迎えてくれました。

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川に架けられた吊橋を渡り対岸に移動します。きょうは本当に空がきれいです。

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対岸からの風景で、どちらの方向を見ても花が目に入ってきます。まさにサンシュユの海でした。