奈良市柳生 土用の水垢離(みずこり)行事
2021年7月19,21日撮影
長かった梅雨も開けたようで、奈良市は35℃を超える厳しい暑さが続いています。今日7月19日から土用入りとなります。
夏の土用は立秋前の約18日間で、ちょうど二十四節季では大暑にあたり一年中で一番暑い時期にあたります。
奈良市柳生では土用に水垢離(みずこり)という行事が行われます。Wikipediaでは垢離は
垢離(こり)とは、神仏に祈願する時に、冷水を浴びる行為のこと。水垢離(みずごり)、水行(すいぎょう)とも言う。
と説明されています。
土用の入りの19日は柳生町で、土用三郎7月21日には柳生下町で土用垢離が執り行われました。
7月19日柳生町の土用垢離
八坂神社の社務所で土用垢離の祭典が行われたあと、白装束をまとい腰に荒縄を巻いた宮座衆が垢離を行う打滝川に向かいます。
「これは死装束なんだ」と説明をしてくれました。
社務所の軒先に垢離で用いる道具が掛けられていました。菅笠はわりあい自由なデザインのようです。水を掛ける柄杓は代々受け継がれた古い物とのこと。
八坂神社を出て打滝川まで歩いていきます。水垢離は午前中に2回、昼食を挟んで午後に1回と都合3回行われます。今回は3回目の水垢離を見せていただきました。
川の中に4本の竹で結界が張られ磐座が設けられています。その祭壇に向かって竹のひしゃくで川の水を掛けます。「ひー、ふー、みー、よー、いつ、むー、なな、やー」と唱えながら何回も繰り返します。
水をかけ終わったら神主さんが祝詞を奉上して水垢離が終わりました。
7月21日柳生下町の土用垢離
柳生下町の土用垢離は十兵衛杉ちかくの中宮寺とお寺前の川で行われます。
白装束で腰に荒縄、頭に菅笠という格好は柳生町の土用垢離とほぼほぼ同じです。
打滝川に掛かる橋を渡り、川の中に設けられた祭壇に向かいます。この日も土用にふさわしくカリカリに晴れ上がった夏日で、ジリジリ太陽が照りつけてきます。
柳生下町では川に平行に2本の竹で結界がはられています。「ひー、ふー、みー、よー、いつ、むー、なな、やー」と唱えながら水を掛ける所作は同じです。
川の水を扱う神事なのでこのような暑い日に行われると一層季節感が出ます。
神事が終わったあと橋の途中で腰の荒縄を鎌で切って川に流しました。