桜満開の吉野山〜金峯山寺で花供会式が行われました〜
2022年4月11日撮影
吉野町吉野山の桜が中千本、上千本あたりで満開を迎えました。吉野山金峯山寺では毎年4月10日から12日にかけて桜の開花を本尊の蔵王権現に報告する行事である花供懺法会・花供会式 (はなくせんぽうえ・はなくえしき)が行われます。
2021年の花供会式の様子はこちらから→吉野山金峯山寺の花供会式(花供懺法会)
近年は桜の開花が早かったので花供会式では桜が散っていたのですが、今年は普通の時期に開花したのでこの行事に合わせてちょうど桜が満開となりました。これは中千本バス操車場からトンネル越えて如意輪寺駐車場方面に行ったところから見える滝桜です。中千本から上千本の桜を仰ぎ見ることになります。
花供会式が始まる時間までに余裕があったので上千本の花矢倉まで移動しました。きれいに晴れわたり吉野山全体がはっきり展望できます。写真的には少し霧でも入ってくれるといいのですが、もっと朝早くこないとチャンスは少ないですね。
尾根沿いに続く街並みの先の大屋根が金峯山寺の蔵王堂で、隣に工事中の仁王門が素屋根で覆われているのが見えます。
仁王門は傷みが進んでいたので約70年ぶりの解体修理がおこなれています。修理が完了するのは2028年の予定だそうです。
花矢倉から竹林院群芳園まで降りてきました。10時に花供会式の行列が出発します。この行列は十万石の格式を大名行列で、奴行列を先頭に、僧侶、稚児、山伏、信徒、鬼が竹林院から蔵王堂まで練り歩きます。
毛槍や挟み箱をもった奴たちです。道中の所々でにぎやかな掛け声をかけながら練り歩きます。
金峯山寺は古来より修験道の聖地ですので、山伏(修験者)がたくさんおられます。修験者抜きで金峯山寺を語ることはできません。
金峯山寺に三大行事と呼ばれる大きな行事としてこの花供会式の他に蓮華会・蛙飛び行事と節分会・鬼の調伏式があります。この鬼たちは鬼の調伏式での主役の鬼たちです。
風によって桜の花ふぶきが行列の上から降り注がれました。花会式が行われたことを祝福するかのようです。
奴さんたちがちゃんとわらじを履いていてくれるのが嬉しいですね。
一時間ほどかけて行列が金峯山寺近くまで降りてきました。このあたりは観光客も多い場所で奴さんたちは疲れた素振りもなく踊ってくれます。
行列の最後の管長猊下が乗られた大名籠が蔵王堂に到着し花供会式の行列は終わります。この後本堂で花供懺法会が執り行われ、境内で採灯大護摩供が行われます。