桜井市・鹿路の天一神社の綱掛け
2023年1月8日撮影
桜井市鹿路(ろくろ)の天一神社の綱かけを拝見しました。天一神社の御祭神は日本神話に登場する製鉄、鍛冶の神とされている天目一箇命(あめのまひとのかみ)。
天一神社の綱掛け行事は1月の第1日曜日に行われるのが通例ですが、今年は第1日曜が三が日だったので第2日曜日に行われました。
午前中から作業は始まっていて11時頃に伺うと矢の製作中でした。使っている竹は女竹(めだけ、おんなだけ)です。
こちらでは綱が綯われています。
「さあーよい さあーよい よいよい さあーよい よいよい」と調子を取りながら綱を綯っていきます。
こちらのお二人は綱に掛ける飾りを作っています。綱は龍とされていて、この飾りは龍の足に相当します。
天一神社の御神体はこの杉の巨木です。手前に朱色の瑞垣にお供え飾りと、龍の足、弓矢が供えられました。
御神体の杉の木の横にある、御神体に負けないくらい巨大な杉の木にしめ縄がかけられました。天一神社の境内には数多くの大木が林立しています。どの木をとってもご神体じゃないのかと思えるほどの大きさであちこちに生えています。
綱が完成すると運びやすいようにひとまとめにするのですが、お約束の遊びが始まります。
しばらくすると神職が来られて神事が始まりました。今日は各地の行事が重なって午前中は天一神社でおられたのですが、他所の神事を済ませてきて再び戻ってこられたようです。最初に神職の方が天地東西南北を打ち分けて、最後に的を射ます。その後は氏子の人、そしてカメラマンまでも矢を放ちました。
この弓は昔はウルシで作ったのですが、最近はウルシの木が無くなり、今年は椿の木で作ったそうです。弓の弦は麻苧(あさお)のようです。
神事が終わり綱は集落の入口まで運ばれました。あたりは暗くなり始めましたがいよいよ綱掛け行事のフィナーレです。
集落の入口に新しい綱がかけられました。今年一年も健康で平穏な暮らしができますように。