御所市蛇穴の蛇曳き汁掛け祭り

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2024年5月5日撮影

御所市蛇穴の野口神社で汁掛け祭りを拝見しました。蛇穴は奈良県の難読地名の一つで(さらぎ)と読みます。毎年5月5日に野神行事である汁掛け祭りが行われます。コロナ禍でしばらく蛇の引き回しが中止されていましたが、今年は5年ぶりに完全な形で行われました。

境内では長さが10mぐらいの大きな藁でできた大蛇が作られていました。氏子の方々が一升瓶のお神酒をヘビさんに振る舞っています。

11時ころから神事が始まりました。宮司さんが榊で大きな鍋で作られた味噌汁をエイヤーと掛けます。

神事が終わると食事と休憩が始まりました。境内の大蛇に子供さんたちが馬乗りになって記念撮影中。
食事は私達一般の人にも配布されて、恐縮しながらもいただきました。
大蛇と味噌汁の話は、次のような話がで伝承されています。

「昔、近隣の長者の娘が役行者に恋をしたが、振り向きもされなかったことから、蛇身に化けてその後を追った。これを見て驚いた村人が、たまたま農作業の弁当にと持っていた味噌汁をぶっかけたところ、蛇は穴に隠れた。以来、娘の供養に野口大明神と崇め、祭典ではと大蛇を作ってお祭りをする」

神社内に置かれた蛇綱がいよいよ村内へ出発します。神社の近くを回るのかと思っていましたが、びっくりするほど遠くの集落の隅々までくまなく回っていきます。蛇の頭は南と東向きと決められていて、道順で北や西に移動する場合は尻尾を前にして後ろ向きで入っていきます。

集落のお家の前で大蛇を上下に振り上げて厄払いが行われます。
この蛇曳きは16:00ごろまで続き、その後神社で蛇綱は蛇塚にお供えされます。