宇陀市上宮奥の綱掛け行事2025

最終更新日

2025年1月5日撮影
新しい年を迎えると奈良県の各所で綱掛け行事が行われます。綱かけは、子孫繁栄と五穀豊穣を祈るとともに、悪疫など悪いものが村境の道や川から侵入するものを防御するための神事と言われています。今年最初の綱掛けは昨年と同じく宇陀市上宮奥の綱掛け行事を拝見しました。

過去の投稿(2024/01)→宇陀市大宇陀上宮奥の綱掛け行事

目的地の興隆寺は桜井市多武峰から大峠トンネルを抜けるとすぐにあります。午前9時半ごろに着くとすでに綱造りが始まっていました。
荒縄3本を束ねて芯としその周りをぐるぐると荒縄を巻いていきます。以前は縄を綯っていたのですが最近は米作り農家が減ったので市販の荒縄を使っているそうです。

お寺の濡れ縁では綱にかけるタコの足を作られています。これは女性陣の担当のようです。この細い藁縄は「さんばいこ」、さんばいこにはシキミと紙垂が付けられます。

綱にタコの足が付けられて完成しました。タコの足は平年は12本、閏年は13本付けるとのことです。

お寺の床下から、10mはあろうかと思われる長い分厚い板が引きずり出されて靴脱ぎ石に載せられました。般若心経の読経のあと法螺貝とドラが鳴らされる中、樫の棒を板に打ちこみます。らんじょう(乱声)が始まりました。バンバンバンバン、何回も何回も樫の棒が打ち込まれ折れてしまうのもあります。

らんじょうが終わるとお寺から坂道を少し降りた綱掛け場まで移動します。住民総出の綱掛けです。

綱掛け場には鉄ポールとワイヤー滑車があるので新しい綱への掛替えは短い時間で終わります。その後全員で記念写真を撮影して今年の綱掛けが終わりました。