天理市藤井町三十八神社の鬼打ち行事2025

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2025年1月13日撮影
天理市藤井町の三十八神社の鬼打ち行事を拝見してきました。この鬼打ち行事は毎年1月13日に集落の安寧と無病息災を願って「鬼」と書かれた的に矢を撃ち抜く行事です。

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過去の投稿(2023/01)→天理市藤井町の正月行事「鬼打ち」を見てきました 2023
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過去の投稿(2021/01)→天理市三十八神社の鬼打ち行事

1時頃に神社に行くとすでに集落の人達が集まり鬼打ちの準備が始まっていました。毎年見せていただいている行事ですので何を作られているのかは分りますが、その手作業は何回見てもワクワクしながら見入ってしまします。

鬼打ちに使う弓矢を作っています。矢は細い女竹に紙で作った矢羽が付けられます。弓は太めの桜の枝に麻苧(あさお)の弦が張られています。二人がかりで弦を張っているところを見るとそこそこの剛弓じゃないでしょうか。

神社の本殿では割竹を裂いて的の骨組みを作っています。六角のかごめに編み上げていきます。

三十八神社がある場所にはもともと神社の他に東福寺というお寺と、小学校があったようです。お寺の寺務所では牛王の御札が用意されていました。この御札は鬼打ちで射たれた竹矢と松苗、洗米といっしょにそれぞれのお家に持ち帰られて、田んぼの水口に立てられます。
三十八神社の御札には1月11日、東福寺の御札には1月6日の日付が見えます。それぞれの日にお寺と神社で乱声(らんじょう)が行われています。

的の骨組みができて本殿から境内に出されました。白い半紙を糊で貼って鬼の顔を作ります。青竹の鬼の鼻を真ん中につけて「鬼」と書かれた半紙を最後に貼ります。
鬼の的の仕上げに周囲に細い竹の御幣をつけます(以前鬼のかんざしやと聞いた記憶があるような)
「今年はうるう年やから13本やで」と声がかかり13本の御幣が付けられました。「?え今年は平年じゃないの?」とその時は思ったけど、家に帰ってから「そうだ太陽暦じゃなく旧暦(太陰暦)かも」と気がつきました。たしかに今年は旧暦6月は閏月なんで13本なのかと納得しました。
でも昨年の的を見直すと13本のかんざしがあるけど? こんどしっかり聞いてみよう。

本殿で神事が行われその後、神職と地区の長老が天地と東西南北そして「鬼」の的に向けて矢を放ちました。

その後は氏子の人たちが次々弓を引きます。見事に的に当たる矢、前に飛ばずにましたに落ちる矢、打ち手の技量に応じて矢も様々な飛び方をします。最後の方で弓道を本格的にされてる人が射ったのですが、この弓矢は普段使っている武具とは違い野生味がありすぎて苦労されていました。

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