外部からの開発リソース調達への不安
2008.11.05 – My life story told by the cellphones I’ve owned / a.drian
電子機器の性能や機能が加速度的に向上するに従って、製品のライフサイクルがどんどん短くなってきています。いまでは製品のライフサイクルがその製品のリードタイムより短いというケースも有るようです。製品のライフサイクルが短いということは、逆に言えば市場からの新商品を求める声が高いということです。そのニーズに応えるためには自社の開発リソースだけでは不足するので、社外の開発リソースを求めて開発や製造の外部委託や、OEMによる製品調達が増加してきます。
自社開発の割合が少なくなり、外部からの開発リソース調達が増えてくると、いろいろな調達先から「売れそうな」ものを買い付けてくるバイヤーみたいな仕事をしている人が増えてきます。「売れそうな」商品として、店頭で目立つものであったり、アピールしやすいキャッチコピーがあったり、競合商品より少しでも安いものを選ぶことになります。いままで自社開発の時には検討していた「この商品はどうすれば作れるのだろう」「どんな技術開発が必要なのだろう」という検討や判断は開発委託先やOEM先に暗黙的に委ねることになってきます。
新商品の企画段階で商品の売り上げを予測するものですが、一般的にその説明の骨子は以下の3点になります。
- 有望なマーケットがあること
- 適正な投資でその商品を開発できること
- そして製造販売することでちゃんとキャッシュを生み出すことができること
外部リソースを使った製品開発が多くなると、どうしても2番めの「適正な投資でその商品が開発できること」の検討が不十分となりがちです。この検討不十分が新商品の開発計画を外してしまう一つの原因となることになります。