「できるだけ早く」では「絶対に早くならない」
人に急ぐ仕事をお願いする時は「できるだけ早く」と言ってはいけません。
プロジェクトのメンバーや、関係する他の部署に仕事をお願いする時に、お願い事項の最後に決まったように「できるだけ早くお願いします」と付け加える人がいます。気弱な性格なせいなのか、相手からの反発を恐れてなのか、納期をはっきりと決める交渉を避けている様子です。
これでは依頼する相手からのコミットの取り方が緩すぎます。
「できるだけ早く」では仕事は早くなりません。できるだけ早くと言われたぐらいで今かかえている仕事の順番を入れ替える人がいると思うのでしょうか。どの仕事も普通は「できるだけ早く」なのだから、「できるだけ早く」と言われても他の仕事のプライオリティと同じなのです。「できるだけ早く」と言われると、「あ、この人はそんなに急いでいないんだなと」思われるのがおちです。いろいろな仕事を「できるだけ早く」でお願いしていると、あちこちで仕事の遅延が発生し、プロジェクトの納期をいつも外してしまいます。
プロジェクトマネージャーとして、依頼相手と仕事の納期について協議し、どこまでならできるのか相手と交渉する厳しさが必要です。決して相手に無茶な納期を強要しろと言っているわけじゃありませんが、責任者としてプロジェクトの納期を守るために、各タスクに必要な納期を明らかにし、その担当する部署のコミットを取り付けるという仕事を放棄してはいけません。
納期を交渉するときは「できるだけ早く」という言葉ではなく、具体的な日時や、仕事の位置づけの説明が大切です。
- はっきりした期日、例えば1週間でとか、何月何日までと指示をする。
- スケジュール表をなどで全体の仕事を説明し、この依頼している仕事の位置づけと、他の仕事との関連を説明する。
- 途中途中で進捗の状況を確認するタイミングを一緒に取り決める。