悪いニュースが伝わらない時はトップが行動を変える
現場からの「悪いニュース」が上位層にうまく伝わらない組織があります。悪いニュースが素早く正確に伝わらないので、誤った意思決定を行なったり、意思決定のタイミングを失ってビジネスで大きな損失を招いてしまいます。
悪いニュースが現場から上位層に報告される過程で、組織の階層が一つ上がるごとに、悪いニュースから少しずつ刺激物がこし取られ、甘み調味料が加えられます。上位層にそのニュースが届いた頃には、シロップで煮詰めて砂糖でコーティングされたコンポートぐらいの代物になっていることがあります。
「なぜ、不可能だと確信持って言えるのだ。改善の可能性を検討もせずにできないという報告はするな!」と叱責されたのかも知れません。気が利く中間管理者が対策案を添えて報告したら、いつのまにか対策案がさも実施済みのように誤解され報告したのかも知れません。
いずれにしてもこの組織では悪いニュースは波風が立たないように加工して報告したほうが都合がいいのでしょう。しかし、悪いニュースにあれこれへ理屈をつけ、手間ひまかけて調理することは全く時間の無駄です。貴重な時間と事態救済のチャンスを無残にもゴミ箱に捨てているだけなのです。
部下が悪いニュースを報告をしないのは、あなたは部下から信頼されていないのかも知れません。そのような部下は自分が信頼する他の人を選んで相談をしています。まずはあなた自身が部下から信頼されるように行動を変えることが必要です。
- 悪いニュースがあったらすぐに知りたいとみんなに伝えます。
- そして悪いニュースの報告を受けたら、その対応を他人に丸投げしてはいけません。特に悪いニュースを報告をした部下にそのまま「わかった君が対応してくれ」とそのままリターンパスを返すのは最悪で、二度と報告が来なくなります。
- 報告してくれた各担当者からより正確な情報を得て対策案を考えます。各担当者から問題に対する意見を聞くことも有効です。
- 最後に必ずあなたが判断を下します。そして自らが行動を起こします。責任者が判断をして行動を起こすことを部下に見せることでお互いの信頼を築くことができるのです。