プロセスやルールが明確な組織のエラー対策はシンプル
Obedient Elk / puliarf
プロセスやルールが明確な組織ではプロジェクトの工程ごとに、入力するデータ、工程内の手順、その仕事に必要なスキル、求められるアウトプット、アウトプットの良し悪しを計測する尺度などが定義されています。プロセスやルールを整備することでエラーを起こさないようにする”事前対策型”の組織になっているのです。
そのような整備された組織であっても、プロジェクトの最中には何らかのエラー(失敗)が発生することがあります。しかしエラーが起こった時には、入力データが悪いのか、担当者のスキル不足なのか、仕事の手順が悪いのか、が自然と判断ができ、原因の対策が容易です。
一方、プロセス・ルールが不明確な組織でエラーが発生すると、プロセス・ルールが不明確なので関係者からはその工程を担当した人しか見えません。結局、エラーを犯した担当者が関係者からそのエラーの内容を追求されることになるのですが、なぜ自分がそのエラーを犯したのか原因が分からないという事態が発生します。プロセス・ルールが定義されていないため、トラブルの対応は発生したエラーに対してつど対策を講じていく”事後対策型”の対応となります。
“事前対策型”のプロセスでは、その品質を維持するにはほんの2つ3つのポイントを重点的に管理すればいいだけですが、その管理をサボると多種多様のパターンのエラーが発生します。”事後対策型”ではそれら多数のバリエーションのエラーに対する対応策を用意しなければななりません。
特定のプロセスでいつも多くのトラブルが発生するとか、プロジェクトのふりかえり反省時、エラーの原因追求が特定の人への追求になってしまうときは注意信号です。仕事のプロセス・ルールが不明確なまま放置されていませんか。