試作に入る前にユーザーストーリーを考える
システムを実現できるかどうか、試作品をつくり確認することが必要ですが、安易に試作品に走るとかえって開発が遅れることがあります。
システムの要求を具体的な仕様にする時には、
- どのお客さまのどんな困り事をどのように解決するのか
- なぜこの製品が他の手段よりお客さまの困り事をうまく解消できるのか
というストーリを考えることが大切です。
このストーリー無しで試作品を作り始めると、何を確かめたくてこの試作品を作っているのかがわからなくなります。試作品を作ることが優先され、システムを仕様化するための思考が一時的に止まってしまうからです。
仕様化の検討ができないまま作られた試作品では、そのサンプルで確認できることが限られており、結局は何回も何回も試作を繰り返すことになります。いつの間にか、最終のシステムと変わらないくらいの機能盛りだくさんの試作品を作ってしまうことになって、試作品開発なのか本番のシステム開発なのかわけが分からなくなります。
試作品は具体的な仕様を作り出していくのに必要ですが、その前にシステムのユーザーストーリーを考えましょう。